販売開始から50年を迎えた歴史あるクルマ。日産が誇るスポーツカーのレアモデルである「フェアレディZロードスター」をご紹介!

車好きでなくても誰もが知っていると言っても過言ではない超名車「フェアレディZ」にもオープンカーモデルがあります。「フェアレディZコンバーチブル」と「フェアレディZロードスター」という2種類があり、今回紹介するのは後者のロードスターです。ここでは改めてフェアレディZそのものに触れつつ、フェアレディZロードスターがもつ特徴を見ていきたいと思います。

フェアレディZの歴史を辿る


出典元:ウィキメディア

フェアレディZは1969年から6代にわたって今なお販売されている非常に歴史あるモデルで、先代モデルはダットサン・フェアレディで(ちなみに当時の表記はフェアレデーでした…時代を感じさせますね。)、こちらは完全にオープンタイプのみのモデルでした。姿形はまさにクラシックカーといった風合いでフェアレディZとは全く異なるものでした。しかし2代目のフェアレディ2000は性能自体は国産車で初となる200km/hオーバーカーで最高速度は205km/hと発表されました。5速トランスミッションでポルシェタイプシンクロを持ち合わせており、走りは申し分なく国内レースでも大活躍を見せ、テレビコマーシャルも杉山登志が製作し賞を受賞するなど、まさに一世を風靡したモデルでした。当時の若者たちは憧れ、思い出も多く詰まった一台であることは間違いないでしょう。現在も本当にわずかながら中古車市場で見つけることができます。非常に古いモデルでありながら中古車価格は200万円台を保っており、希少価値がついていることが伺えます。

そしてダットサン・フェアレディが終了した後に登場したのがフェアレディZですが、初代は今と異なる独特なエクステリアで、日本でも人気がありましたがなんと北米で非常に人気が出て日産の海外デビューの道を切り拓いた歴史に残る一台でもあります。そして日産としても途中から最初から北米での販売を見据えた改良を進めるようになります。現在ではジャンルとしてはクラシックカーとして北米で今なお知られています。

フェアレディZロードスターというのは日産にとっても、日本の車としても重要なモデルから生まれたオープンカーであるというスペシャルな車であるということが伺えます。

フェアレディZオープンモデルは4代目から


出典元:ウィキメディア

フェアレディZにオープンモデルが登場したのは4代目の1992年でした。またこの4代目というのが数奇なモデルで、まず平成元年に登場しておりバブル真っ只中を走り抜け崩壊、その後スポーツカーの売れゆきが苦しむ時期に突入してしまうという、時代や景気に翻弄されたモデルでもあります。

まずエクステリアは先代まではロングノーズで短いデッキが特徴でしたが、この4代目ではそこに囚われることなく低くスポーティーでありながら迫力のあるエクステリアが考案されました。4代目でももちろん北米は意識していましたが、あくまでアメリカに染めるのではなく日本の車らしいデザインを重視したようです。しかしその後あまりにもローなのでエンジンルームが狭くなり、整備が大変困難な車種となってしまい自動車アセスメントがさらに高められてしまったことと重なりロースタイルにこだわることができなくなりました。

走りの性能としてはV6と3,000ccの2種類のエンジンが搭載されており、目玉は新開発されたツインターボチャージャーが付いているVG30DETT型でこれは日本の自動車メーカーとして最大出力280PSを初めて叩き出したツインターボモデルです。実はこれには(ちょっと残念な?)裏話があり、同社のスカイラインGT-RとインフィニティQ45、そしてフェアレディZとで300PSを狙い300PSトリオなるものを展開しようとしていましたが、当時の運輸省から指導を受け280PSで抑えることとなってしまったというものです。法律で定められているわけではないのですが、日本の自動車メーカーが今なお280PSでとどめている自主規制値はこの時誕生したと言われています。

また4代目を取り巻く北米の状況ですが、プラザ合意により急激に円高になってしまい北米での販売が高額になるのは否めず、それならばと安くて普段使いできるスポーツカーからしっかりとしたパフォーマンスを伴ったポルシェやベンツなどと肩を並べるような高級車へとシフトチェンジしました。

かなりレアなモデルである「ロードスター」

どちらにしても珍しい車種であることは間違いないのですが、フェアレディZロードスターは特に珍しく、街中で見るなんてことはまずないでしょう。というのも実はロードスターは798台しか販売されていないのです。ロードスターの難点としてフェアレディZのクーペモデルより70万円ほど価格が高かったことが挙げられます。オープンモデルが高くなるというの従来のモデルに新たに機能が追加されているようなものなので、当然のことなのですがオープンカーは外車志向である日本ではなかなか難しかったようです。

オープンカーとしての特徴ですがソフトトップでフェアレディZの車体にはなんとも色気が漂いぴったりですが、見た目だけではなく性能もお墨付きでなんとステアリングにあるリクエストスイッチ一つで約20秒ほどで開閉ができます。これでどんな時でもスマートな開閉が可能となっています。音はガチャガチャと鳴るのが気になるところですが、そこは愛嬌でやはり静粛性を求めるならレクサスまで手を伸ばすべきだと思います。またルーフロックとアンロックも自動化されているのも便利な点で、手動ですることなくセンターコンソールにスイッチがありそれだけで簡単にできるのも大きな特徴です。そしてオープンにするにあたって避けられない気温の変化ですが、ハイバックレストタイプになっているシートは空調システムが組み込まれており、シートと体が触れているところは一定の温度に保たれるよう設計されています。これで多少寒い日でもさわやかにオープンカーにすることができます。オープンにするに至り気軽に楽しめるよう細やかな気配りがところどころで垣間見えます。

もちろん走りはクーペと変わらず力強い加速、惚れ惚れするようなサウンドが鳴り響きます。オープンカーということもあり重量が大きいですが、運転している時はそんな重量感を感じさせず思いのままに曲がり思いのままに加速してくれます。もちろん車体も大きいのですがこれだけ全てが大きい状況を備えていながら思いのほか運転しやすいという印象です。条件だけでいえばもっと運転しにくそうですが、そこはさすが日産といったところです。

まとめ

フェアレディZという知名度抜群の中にあるオープンカーは、かなりレアではありますが販売終了したのは近年のことなのでまだまだ中古車市場でも見かけることができますが、まだまだお値段も保っています。フェアレディZロードスターはクーペとびっくりするほどデザインが異なるわけではないですが、オープンカーにしか持ちえない色気をまとっており、ラグジュアリー感を演出してくれます。

所有するとなると正直維持費は高くつくのでしっかり検討した方が良いところです…が是非乗る機会があれば乗ってほしい一台です。積載性も悪く、自動車税も高く、2人乗りで、広い駐車場も必要でともちろん利便性は大きく劣りますが、フェアレディZロードスターはそのような場所で勝負する車ではありません。それさえも乗り越えた上で、愛せるポイントがこの車にはたくさんあります。日産を彩ったモデルのオープンタイプというのは特別なものです。

[ライター/A. Oku]