コラム

トヨタ最後となった高級コンバーチブル「ソアラ」の魅力に迫る

トヨタソアラ。かつて日本の自動車ブームいわゆるハイソカーブームに乗り一躍時代のクルマとなったモデルです。トヨタのイメージリーダーになるべく誕生し欧州のラグジュアリー2ドアモデルに対抗すべく開発されたソアラは1981年に初代モデルが登場。初代から2ドアクーペとして脈々と歴史を繋いできましたが2001年4代目へフルモデルチェンジした時に2ドアハードトップを持つコンバーチブルになりました。今回はトヨタ最後の高級コンバーチブルソアラの魅力について迫っていきます。

ブームを作り上げた歴史的名車ソアラ


出典元:ウィキメディア
オープンカーとなった4代目ソアラの魅力に迫る前にソアラそのものの歴史を振り返っていきましょう。初代ソアラが誕生したのは1981年。1980年に行われた大阪国際オートショーで発表されたコンセプトモデル「トヨタEX-8」の市販版としてデビューしました。1980年代のトヨタを代表するイメージリーダーの役割を担い欧州の上級パーソナルカーに対抗して作られたソアラは専用開発の直列6気筒エンジン、デジタルメーター、タッチパネル式オートエアコン、日本車初の四輪ベンチレーテッドディスクブレーキなど高級車並みの装備を備えてデビュー。キャッチコピーは「未体験ゾーンへ。」「SUPER GRAN TURISMO」。直線的なデザインと細いピラーによる繊細なルーフラインが特徴の2ドア5シータークーペ。1983年のマイナーチェンジでは世界初の電子制御式サスペンションを採用するなど最新技術を多く取り込んだモデルでした。1986年にフルモデルチェンジが行われ2代目へバトンタッチ。キャッチコピーは「世界にひとつ、日本にソアラ。」「SUPER GRAN TURISMO」。
初代のデザインやコンセプトを受け継ぎ日本のハイソカーブーム・バブル経済の波に乗り大ヒットモデルとなりました。四輪ダブルウィッシュボーンサスペンションを基本装備とし上級グレードには世界初の電子制御式フルエアサスペンションを装備するなど先代に引き続き最新技術を多く搭載していました。1991年に3代目へフルモデルチェンジを行いボディサイズを拡大し3ナンバーサイズへ。従来の直線的なデザインから曲面や曲線を使った流麗なデザインへ大幅な変更をしたことも3代目ソアラの特徴。このサイズ拡大とデザイン変更はトヨタが北米などで展開している高級車ブランドレクサスのクーペモデル「レクサスSC」としての販売されることになったことも要因のひとつ。バブル経済崩壊、高級車・クーペ需要の低下などにより日本での販売台数は低迷してしまいましたが、北米市場では非常に高評価でした。2001年4代目へフルモデルチェンジ。このフルモデルチェンジはソアラにとって大きな転機となりました。
参考:オープンカー/カブリオレ/コンバーチブルの買取専門ページです
初代から3代目までは2ドアパーソナルラグジュアリークーペのボディスタイルを継承してきましたが4代目からは電動格納式ハードトップを持つクーペコンバーチブルとなったのです。ソアラとしての一面とレクサスSCとしての一面を持つ4代目ソアラは流線型のボディシルエット、なだらかなルーフライン、パーソナルカーとしてのドライバビリティ、極められたエレガントな空間を持ち合わせたクーペコンバーチブルなのです。2005年までソアラとして販売された4代目はレクサスブランド日本開業に伴いレクサスSCに一本化。4世代24年にわたりトヨタのパーソナルラグジュアリークーペとしてのポジションを守ってきたソアラは幕を閉じました。

4代目ソアラの魅力


出典元:ウィキメディア
クーペコンバーチブルとなった4代目ソアラは全長4,515mm全幅1,825mm全高1,355mmと全長が短くワイドで低いスタイル。2ドアですが後席を備えた4人乗り。先代(3代目)からすると全長が短くなったことが影響し後席に座るのは至難の技。それでも4シーターにこだわった理由は北米における保険料対策。北米では2シーターの場合、保険料が高額になるため人が乗ることができても乗ることができなくても後席があるだけで保険料が高額になることを避けることができます。事実上、2ドア2シーターラグジュアリークーペコンバーチブルと言い換えることができるソアラはトヨタが誇る高級車セルシオと同じ4.3L V8エンジンを搭載。このエンジンはソアラ史上最大排気量のエンジンで高い静粛性と必要にして十分なパワーを発揮してくれます。組み合わされるトランスミッションは5速ATのみ。このトランスミッションの設定によりサイドブレーキが足踏み式に変更されました。トヨタブランドとして初の18インチアルミホイールやランフラットタイヤの設定がされるなど新しい試みに挑戦する姿勢は初代からの伝統。ランフラットタイヤを選択するとスペアタイヤを携行する必要がなくラゲッジスペースを広げることができます。ハードトップルーフを格納したときにもゴルフバック1つを収納するだけのスペースを確保するためにランフラットタイヤの設定が必要だったのです。
水平に伸びるショルダーライン、直線とカーブを活かしたエクステリアの造形はルーフを閉じているときのクーペスタイルとルーフを開けたときのオープンスタイルを見事に融合させた美しい造形。インテリアはラグジュアリーそのものでレザーシートやウッドパネルを使った質感が高い豪華な仕上げが特徴。4代目ソアラは2ドア2シーターラグジュアリーオープンカーとして考えれば不満な点はほぼありません。オープンボディになったソアラの歴史は5年に満たない短い期間で終了となり以降レクサスブランドのSCとして日本で販売が継続されました。最新技術やオリジナリティを追求し続けたグリフォン(有翼獅子)が宿る最上級グライダーソアラ。パーソナルラグジュアリークーペからパーソナルラグジュアリークーペコンバーチブルへとなった4代目ソアラはレクサスの上品なクオリティを備えたグリフォン(有翼獅子)なのです。

ラグジュアリーオープンカーに乗ろう

パーソナルラグジュアリークーペコンバーチブルの4代目ソアラは現在中古車でしか手に入れることはできません。中古車市場を見てみると現在(2019年2月時点)100台近くの個体が出回っています。価格は40万円~250万円程度。グレードに関しては基本的にモノグレードであるため装備の違いでしか選択することができません。最低限の条件としては修復歴が無く、カーナビが装着されている個体がオススメです。オープンボディにとってボディ剛性は乗り心地やドライブフィールに直結する重要な要素。よって修復歴が無い車両が最低限の条件といえるでしょう。カーナビゲーションが装着してあると手放すときに査定で加点されるためカーナビゲーション装着車両の方が良いと言えます。その他装備の有無は好みや予算に応じて選択すると良いでしょう。好みの装備が装着されている個体がなければ、リーズナブルなソアラを手に入れてからアフターパーツを装着するという方法もあります。
〈オススメまとめ〉
・修復歴なし
・カーナビ装着

トヨタの高級オープンカーの今後

4代目ソアラの販売を最後にトヨタブランドのラグジュアリーオープンカーはレクサスへ移行してしまいました。レクサスSCに一本化された後は2010年までレクサスブランドで販売され終了。つまり現在レクサスを含むトヨタブランドではパーソナルラグジュアリークーペコンバーチブルのラインナップはありません。欧州のパーソナルカーに対抗すべく登場したソアラがまた再び復活する日は来るのでしょうか。レクサスブランドでは2019年1月にLCのオープンモデルがコンセプトとして出展されました。せめてレクサスブランドでも良いので日本のトヨタが作るラグジュアリーオープンカーの復活を期待したいですね。
[ライター/齊藤 優太]

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ユーズトカーラボ 編集部
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