本格2ドア2シーターオープンスポーツカー「スズキ カプチーノ」はなぜ今も根強い人気があるのか

スズキカプチーノはスズキ自動車が1991年から1998年まで販売していた本格2ドア2シーターオープンスポーツカー。軽自動車枠でありながら本格スポーツカー同等のスペックを備えています。スポーツカーのスペックだけでなく4つのスタイルに変化する自在な変形が特徴のオープンカーがスズキカプチーノ。カプチーノが販売されていた時代は軽自動車枠オープンスポーツカー全盛期。マツダオートザムAZ-1、ホンダビート、スズキカプチーノの3車種が軽自動車オープンスポーツカーカテゴリーで争っていました。各車種の頭文字をとって「ABCトリオ」と呼ばれ、平成初期のバブル絶頂期に全盛期を迎えていた軽自動車オープンスポーツカーのひとつ、スズキカプチーノが今も人気の理由を改めて探っていきましょう。

どこが本格的なのか?

平成のはじめを飾った軽自動車オープンスポーツカーカプチーノがどんな車なのか詳しく見ていきましょう。現在の軽自動車規格は全長3,400mm以下、全幅1,480mm以下、全高2,000mm以下、排気量660cc以下ですが、カプチーノは1991年から1998年までの全長3,300mm以下、全幅1,400mm以下、全高2,000mm以下、排気量660cc以下の規格の時代。よってカプチーノは全長3,295mm全幅1,395mm全高1,185mmと非常に低く、車両重量は700kgと非常に軽いボディ。まず驚きなのはその軽さです。当時ライバルであったオートザムAZ-1の車両重量は720kg、ホンダビートの車両重量は760kgであることを考えるとカプチーノがいかに軽いかということがわかるはずです。その軽さの秘密はルーフ、ボンネット、リアフェンダーの一部に軽量なアルミニウムを使っているからです。

さらにホイールや駆動系にもアルミニウム合金を使い徹底的に軽量化をしています。サスペンション構造はスポーツカーや高級乗用車に使われる前後ダブルウィッシュボーン式、駆動方式は後輪駆動を採用。サスペンション構造や駆動システムの構造からすると部品点数が多くなり重量増加は避けられない構造であるにも関わらずライバルよりも軽量にしているところに本気度を感じます。ブレーキシステムは四輪ディスクブレーキ。エンジンは軽自動車規格に合わせて660cc。デビューの1991年からの前期型にはアルトワークス譲りのF6A型直列3気筒ターボエンジン軽自動車規格いっぱいの64PSを発生させチューニング次第では64PSを簡単に越え3ケタ馬力に迫るほどの出力を出すことが可能な耐久性の高いエンジンです。1995年からの後期型にはK6A型直列3気筒ターボエンジン64PSを発生、このK6A型エンジンはR6A型エンジンに変わるまで多くのスズキ車に搭載された歴史の長いエンジンです。カプチーノではこのエンジンをフロントミッドシップに縦置きで搭載しています。よって、カプチーノはロングノーズショートデッキスタイルの見た目にもスポーツカーらしいエクステリアとスポーツカーとして理想的な前後重量配分(前51:後49)を実現しています。スペースは小さいものの独立型トランクスペースを持ち取り外したルーフを格納することができます。オープンスポーツカーのカプチーノは手動ではありますがルーフの取り外しができます。

ルーフは4分割構造になっているためすべてを取り付けたクローズスタイル、運転席上部と助手席上部を取り外したTバールーフスタイル、ルーフ部すべてを取り外したタルガトップスタイル、リアガラス部まで取り外したフルオープンスタイルの4つのスタイルを楽しむことができるのもスズキカプチーノのポイント。解放感が魅力のオープンカーですが解放度合いを自ら調節でき様々スタイルに変化させることができるオープンスポーツカーがスズキカプチーノの魅力でもあります。独自の魅力スペシャリティーを極めた軽自動車オープンスポーツカーカプチーノはバブル経済崩壊の影響や軽自動車規格の変更により1998年に生産を終了しました。

スズキカプチーノのオススメは?


出典:ウィキメディア

日本経済・バブル経済崩壊の影響、スペシャリティーカーの需要の変化、軽自動車規格の変更などの要因により7年間1世代で幕を閉じてしまったスズキカプチーノ。最終モデルの製造販売終了から20年以上経過しますがスズキカプチーノは今でも人気が衰えません。中古車情報を見てみると最低価格20万円以上となっています。高価格帯になると150万円を越える個体も存在しています。中古車市場の動向を見るとエンジンの型式が変わった1995年以前の個体が高価格で取引されています。修復歴がある個体でも100万円を越える価格が掲げられているほど現在でも人気が高いモデルがスズキカプチーノなのです。そんなスズキのスペシャリティーカーであるオープンスポーツカーカプチーノのオススメは1995年以降K6A型エンジンを搭載した修復歴がない5速MT車両がオススメ。

オススメの理由は、1990年代後半から2010年代にかけて多くのスズキ車に採用された信頼性の高いK6A型エンジンを搭載しているため、2019年現在であればエンジントラブルがあっても部品が調達しやすく修理が可能だからです。アルミニウム製の部品を使用している部分が多くあるスズキカプチーノはアルミニウムという金属の特性から修復歴がない車両の方が本来のポテンシャルを楽しむことができます。修復した部位によっては走行に支障がない部分の可能性もあるため手に入れるときにはどこを修復したのか知っておく必要があるでしょう。

K6A型エンジンが搭載された1995年以降の後期モデルといわれる車両から3速ATもラインナップしていますが、オープンスポーツドライビングを楽しむのであればやはり5速MTでしょう。オープンカーならではの注意点としては、手動式ではありますがルーフ脱着機構部分のゴム部品劣化による雨漏りや固着が心配されます。購入の際は雨漏りの心配がないかゴム部品の劣化や固着がないかどうかは確実にチェックしてください。年式が古いモデルになるためタイミングベルトの交換歴があるかどうかも併せてチェックしておくと良いでしょう。

〈スズキカプチーノのオススメまとめ〉
・1995年以降のK6Aエンジン搭載モデル
・修復歴の有無
・5速MT
・ルーフ部のゴム部品、タイミングベルトの交換歴
・1995年から1998年スズキカプチーノ価格相場:40万円~150万円程度

カプチーノの今後

高い人気を維持しているスズキカプチーノ。数年前(2017年頃)からスズキカプチーノ復活の噂が後を絶えません。ライバルであるダイハツコペンやホンダS660の出現によりスペシャリティーオープンスポーツ軽自動車がまた盛り上がりをみせています。この動きにスズキが指をくわえてみているはずがありません。平成最後の2019年、平成初期を賑やかにさせたスペシャリティーオープンスポーツ軽自動車が平成最後にまた違った形でトリオを結成するのか今後スズキの動きが楽しみです。

一部雑誌などのメディアやインターネット媒体の情報によると精悍でスタイリッシュなデザインとスポーティーなエクステリア、エンジンはK6Aの後継にあたるR6A型直列3気筒エンジン、駆動方式は前輪駆動という情報が飛び交っています。果たして本当にスズキカプチーノは復活するのか、スズキの動きやスペシャリティー軽自動車の動向を見ながら続報を待ちましょう。

[ライター/齊藤 優太]