いまだに人気!ダイハツのイメージを大きく覆した軽自動車オープンカー「コペン」に迫る

ダイハツコペンは2002年から販売されている軽自動車オープンスポーツカーです。初代コペンは2002年から2012年まで10年という長い間販売されました。2014年からは2代目が誕生し現在(2018年時点)も販売が継続されています。

コペンの衝撃

コペンの登場はダイハツのイメージを大きく覆すものでした。コペンコンセプトが出展されたのは1999年の東京モーターショー。軽自動車規格が変更されて間もない頃の話です。かつては軽自動車オープンスポーツカー市場は盛り上がっており軽自動車を得意とする各自動車メーカーから販売されていました。ダイハツもリーザスパイダーというオープンスポーツカーをラインナップしていました。コペンは1993年に生産中止となったリーザスパイダー以来のオープンスポーツカーであり軽自動車オープンスポーツカーの常識を覆す大きなトピックがありました。それは電動ハードトップを備えていること。今までの常識では一部の高級車モデルにしか採用されていなかった電動のハードトップが軽自動車に装備されているというのは衝撃的でした。

他の軽自動車オープンスポーツカーは幌のモデルであったり、ハードトップであっても手動であったり、取り外したルーフの格納場所に困るといった難点を抱えているモデルがほとんど。そんな常識を覆した電動ハードトップを備えたコペンコンセプトは出展されるとすぐに話題の車になりました。基本的なコンポーネントはダイハツのミラやムーヴのメカニズムを流用したFF(前輪駆動)パッケージ。これに組み合わされる「アクティブトップ」と呼ばれる電動ハードトップは開閉の所要時間は約20秒、オープン時のルーフはトランクスペースに格納されます。停車中にフロントガラス上部のルーフ固定ロックをはずしスイッチを作動させればあっという間にオープンになるシステムは高級車に匹敵するメカニズムでコペンと言えば電動ハードトップオープンスポーツカーというキャラクターを決定付けるアイテムとなりました。気軽にオープンエアを楽しむことができるコペンはセカンドカーに最適で新たな顧客を呼び寄せることにも成功。衝撃的なコンセプト誕生から3年後の2002年ついにコペンの販売が開始されました。

コペン初代からの流れ

初代コペンは2002年から2012年まで販売され、丸がモチーフとなっている愛嬌のあるかわいらしいデザインと660cc4気筒ターボエンジンを搭載してデビューしました。組み合わさせるトランスミッションは5速MTもしくは4速ATで駆動方式は前輪駆動。今となっては存在しない4気筒660ccターボエンジンを販売が終了する2012年まで搭載し続けた貴重なモデルです。販売直後は電動ハードトップの「アクティブトップ」と樹脂製着脱式トップを持つ「ディタッチャブルトップ」の2バージョンをラインナップ。「ディタッチャブルトップ」は電動開閉システムを省き樹脂製のルーフにすることで約30kg軽量化した軽快な走りをするモデル。しかし、2007年にカタログ落ちしてしまいます。一方、電動ハードトップを備えた「アクティブトップ」はアニバーサリー特別仕様車や豪華装備やスポーティーな装備が与えられた特別仕様車を展開していきます。内装はプレスリリースで「ブラックカラーを基調に、メタリック感のある装飾をポイントとして施し、スポーティー感と高品質感を実現」と謳われていたように上質な空間が演出されています。

走りは軽快そのものでよく回るエンジンとクロスレシオ化されたトランスミッションによりぐいぐい加速をする小気味の良い走り。乗り心地は他のダイハツ車と同じサスペンション形式を使いながらも専用チューニングが施されているためギュッと引き締められています。ロードインフォメーションを素直に伝えてくる足回りは快適とは言えませんが車がどんな状況なのかをダイレクトに伝えてくれスポーティー感ある乗り心地となっています。それと合わせて開放的なオープンエアを感じることができるコペンはドライバーが無邪気にドライビングを楽しめる魅力があります。日本車としては珍しく軽自動車であるコペンがイギリス、オーストラリア、ドイツへ輸出され右ハンドル仕様のまま販売されました。(後に1.3Lエンジンモデルや左ハンドル仕様も輸出されています)2012年コペンの生産終了がアナウンスされ10年に渡り販売され続けてきたコペンか幕を閉じるとともに660cc4気筒ターボエンジン搭載の軽自動車が全て生産終了となりました。

生き残りを掛けたコペンの進化

衝撃的なデビューからダイハツのイメージリーダーとしてのポジションを勤めてきたコペンは生産終了の翌年2013年に新たなコペンコンセプトを発表。その後2014年に販売を開始。2世代目コペンは着せ替えができるという新しいチャレンジをしたダイハツの生き残りを掛けたモデル。新たな挑戦を支えたのは「Dress-Formation」と呼ばれる脱着構造と「D-Frame」と呼ばれる新しいボディ骨格です。「Dress-Formation」についてチーフエンジニアの藤下修は「買うということが始まりでなければいけない。若い人たちがスマートフォンを本体だけではなくケースを組み合わせて楽しんでいる。お客さんとのコミュニケーションを密にとり新しい関係を築いて行かなければ生き残れません」と話しています。スマートフォンのケースを変えると気持ちが新たになるように車も着せ替えることで気持ちも切り替えることができる技術「Dress-Formation」をダイハツは提唱しました。この技術を支えるためにはボディのフレームだけで車体の強度を持たせなければ実現ができません。プレスリリースにて「新しいオープンスポーツカーを作るために、モノコック構造を破壊する必要がありました。」とチーフエンジニアの藤下修は語り新ボディ骨格「D-Frame」の解説をしました。

フロント、サイド、リア、フロアの車両全体を切れ目なくつなぐ構造に加え、フロア下のトンネル部やクロスメンバーなどを補強することで、先代コペンと比べると上下曲げ剛性は3倍、ねじり剛性1.5倍を実現した「D-Frame」によりスポーツカーに求められる剛性をフレームのみで確保することに成功。この2つの革新的な技術を備えたコペンは目標販売台数を上回るオーダーが入りました。2代目デビュー当初は電動ハードトップを備えた「ローブ」のみのラインナップでしたが、5ヶ月後にはスポーティーモデル「エクスプレイ」が登場。2015年、第3のモデル「セロ」が登場。先代コペンのアイコンのひとつであった丸型ライトをオマージュしています。2015年後半には「Dress-Formation」サービスが開始され「ローブ」から「セロ」へ着せ替えできるパーツが販売されました。現在(2018年時点)のラインナップはベースとなる「ローブ」「エクスプレイ」「セロ」に加え、スポーティーな装備を充実させた上級グレード「ローブS」「エクスプレイS」「セロS」を展開しています。外見は好みによりますが、せっかくコペンに乗るなら装備が充実している「S」モデルがおすすめです。

コペンが進む道

新たな提案をした2代目コペン。「Dress-Formation」サービスが開始されてからまだ間もないこともあり、現在は「ローブ」から「セロ」への着せ替えしか販売されていません。

今後どんなドレスアップが出てくるのか楽しみです。今のコペンを楽しむのも良いですが、ドレスアップして新しい表情のコペンに変えたり、部分的にドレスアップをして世界に一台だけのオリジナルコペンを作るのも楽しいですね。

[ライター/齊藤 優太]